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がん治療の施設別データ国立がん研究センターは2011年7月より毎年、がん診療を中心的に行っている全国の医療機関が登録したがん患者数や治療法などの施設別データを公表しています。

どの施設でどの部位のがんを多く治療しているかなど、施設名を含めたデータの公開は初めてのことです。わかっていた事ですが、症例数が多いことが治療成績と比例しなかったことです。

それでも病院を選ぶ判断材料のひとつにはなると思います。公表されたのは、全国778施設のがん診療連携拠点病院で、2016年のデータは、治療の質向上に役立てるため各医療機関がデータを蓄積する「院内がん登録」で集められました。

集計によると、部位別罹患は、大腸、胃、肺、乳房の順に多く、年代別では60代後半~70代の罹患が最も多く、65歳以上が8割以上を占めていた施設がある一方、約4割程度のところもあり、施設によって年齢層にばらつきもありました。

治療内容も施設や地域ごとの差が大きく、早期の胃がんでは、内視鏡、あるいは腹腔鏡を用いた手術を行った施設が5割を超えた県がある一方、2~3割にとどまっている県もありました。

開腹手術に比べ体への負担が少ないということで各臓器別に胸腔鏡手術、腹腔鏡手術などが増えてきましたが、今後、腹腔鏡を用いた手術と一般的な開腹手術の情報をお知らせします。2016年7月の時点ではがんの罹患率は増え続けています。
2020年3月の調査結果は、がんの5年生存率・10年生存率ともに前年調査より若干向上しましたが、部位・病期によって生存率は大きく異なります。

全部位のがん(悪性腫瘍を含む)で計算したときに、確定診断から5年生存するとその後がんで亡くなる可能性が低くなるため、5年生存率を、がんが治る可能性として、とらえています。治療ときにがん巣を全て摘出しても発見することが困難ながん細胞が残っていることもあります。そのがん細胞が再び発見される大きさになるのが5年以内であることから、5年生存率をだしています。5年生存率が、治療効果の目安として使われますが、確実に予測することはできません。

がん診療連携拠点病院等院内がん登録全国集計 国立がん研究センターがん対策情報

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施設別データ(5年生存率)

胃がんでは56%~80%ばらつきがありましたが、がんの進行度で生存率に違いがでるため、生存率だけで病院を選択することには注意が必要です。

ステージ1の患者さんが多い病院では生存率が上がります。ステージが進んだ患者さんが多い病院では生存率が下がります。一見生存率が高ければ高いほど優れている病院と思いがちですが、統計によって得られた数値はそれほど単純なものではありません。

多くのがんにおいて治療開始から5年間、新たながんがみつからなければ完治したことになります。5年生存率が高い病院では高い治療技術があるともいえますが、生存率の差が決して治療の技術の差とは言えません。早期がんの場合であればどの病院で治療しても大きな差は出ないと思います。

ステージが進行した場合の生存率が一番知りたいとこですが、なかなかわかりにくいのが現状です。地方の中核病院では高齢で進行度の進んだ患者さんが多いのも事実です。

現状はあまりにも情報が溢れすぎていて逆に何が正しい情報なのか、何を基準に判断していいのかがとても難しくなっています。 誰もが最良の医療を納得して受けたいと思うことでしょう。