<ホーム 標準治療以上に自由診療(代替療法)の治療成績がよいということではありません

自由診療は標準治療以外の医療行為の総称です先進医療には、強度変調放射線治療(IMRT)に加えてがんの部位に高精度な照射をすることができる粒子線治療があります。そのなかには「陽子線」や「重粒子線」治療などあります。公的医療保険適用対象となる症例も広がりつつあります。

がん薬物療法

薬物療法でも「遺伝子パネル検査」をはじめ、患者さんのゲノム(全遺伝子情報)を調べ、変異に合った薬を探す「がんゲノム医療」が保険診療になっています。有用性・安全性の確立した療法は公的医療保険適用対象となっています。

保険適用になっている免疫治療

免疫療法でも、効果が証明されて保険適用になっている免疫療法(免疫チェックポイント阻害剤)と、さまざまな療法を含む「広義」の免疫療法があります。PD-1抗体 (ニボルマブ)」PD-L1阻害薬、CTLA-4モノクローナル抗体(イピリムマブ)」等は、免疫系から逃避し生き延びるために、がん細胞は、免疫抑制機能を活用しています。がん細胞の場合、免疫をくぐり抜ける仕組みがあるため、排除されずに増殖します。がん細胞の免疫抑制シグナルの伝達を阻害することで、T細胞の活性化抑制を解除することで、抗腫瘍効果を示します。免疫チェックポイント阻害剤は、総称名オプジーボ( 一般名ニボルマブ)やヤーボイ(一般名イピリムマブ)、キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)などあります。

免疫チェックポイント阻害剤の適応になる患者さんは「がんゲノム医療」を経て適応が限られますので、エビデンスのある新しいがん免疫療法の開発が期待されています。当初、免疫チェックポイント阻害剤の登場のときは、免疫でがんの増殖、増悪が止まると考えていた医師は少なかったと思います。それが、多くの研究者による検証にも耐え、有用性が広がるとゲノム医療のさらなる発展とエビデンスのある免疫療法が期待されています。しかし、がん自体が非常に複雑な疾患であるため全てのがんに有効性はありません。それでも、承認から10年経ち多くの医療機関で使われるようになったことで、有用性もわかってきました。自由診療で行われるエビゼンスのない広義の免疫療法を勧めているクリニックがまだ存在していることも事実です。

従来の「広義のがん免疫療法」詳しくは>>

分子標的薬

がん組織内の遺伝子異常に対応した治療薬で、がん細胞に特有の標的分子に対して,効果を示す薬剤です。がん細胞の異常な分裂や増殖を抑えることを目的として開発されました。現代約30種類が認可されています。ハーセプチンやイレッサ、タルセバなどは、がん治療の大きな柱になりました。

多くの場合、自由診療で行なっている免疫と名称のつく療法は、健康保険を利用することのできない自費で受ける診療のことです。BAK療法、がん遺伝子療法も含めた代替医療は標準治療以外の医療行為の総称です。保険適応になっていない広義の免疫療法、遺伝子治療などの有用性は公的に証明されておりません。標準治療とは科学的根拠に基づいた有効性が示されている治療のことです。

自由診療とは、健康保険を利用しないで自費で受ける診療のこと 混合診療(保険診療と保険外診療の併用は原則として禁止されいます)になるため保険適用の薬剤でも自由診療では全額治療費を支払います。なかには受付を別にして保険診療と自由診療を併用しているクリニックもあります。 再発、転移は「全身病」になり、その時点でがん標準治療では治癒が難しくなります。 免疫療法やがん遺伝子療法などは、がんの種類を問わなく病期さまざまな症例に対応することができるとのことですが、「先進医療」にも当てはまらないようながん療法です。仮に有用性があるなら未承認の療法でも第一選択にしたらよいと思いますが、その選択をする方はいません。

「がん遺伝子治療」詳しくは>>

保険適用の薬剤は、承認申請が行われます。日本癌治療学会、臓器別専門領域の学会などでがん診療に関して厚生労働省の保険医療協議会に諮問して調査審議し、保険適用の有無が決まります。癌取扱い規約も数年毎に専門領域の医学学会などで見直されています。

自由診療(免疫、遺伝子療法も含めた代替医療)民間療法では、健康保険を使用できませんので自費で受ける診療のことです。最新のがん治療である「先進医療」にも当てはまりません

何年も前からある広義の自由診療で行われている免疫療法は第4の治療法とか呼ばれていたときもありましたが国の承認を受けるための全段階を満たしておらず、有効性などが公的に確認されていないので保険適用にはなっていません。公的医療保険が全く使えないため、高額になっても全額自己負担となります。保険適用の臨床試験は行われていません。にも関わらず、体にやさしい療法などといって同一な療法を行っています。

【目次】
標準治療以上に自由診療(代替療法)の治療成績がよいということではありません
がん自由診療(免疫療法も含めた代替療法)
免疫療法・遺伝子療法などの自由診療に誘導されやすくなります
NK細胞のドレス現象によりNK細胞は逆に減少してしまいます
高濃度ビタミンC点滴療法はがんに対して有用性の科学的な証拠はありません
持続的な奏効をもたらすがんの治療法は存在しません
がん治療アドバイザーのサポート

標準治療を受けている患者さんは、不利益を被っていることになります

がんの診断技術はハイテク化されたCT・MRIさらに内視鏡・超音波検査などの機器で画像診断技術が飛躍的に向上してきました。診断・治療レベルが上がってきているのにもかかわらず高齢化の影響もありますががんの罹患率、死亡率ともに増加し続けています。先端医療、新薬の開発などで不治の病ではなくなってきたと言葉の上では確かにそうなのですが、現状は深刻です。

病期が進行くると標準治療でも治癒率が低下する現実があり、完治が難しくなってきます。だからといって自由診療が標準治療以上に治療成績がよいということではありません。


自由診療で治療を受けている患者さんには大変申し訳ありませんが大学病院、がん専門病院等でがん標準治療を受けている患者さんは、不利益を被っていることになります。当然のことですが決してそんなことはありません。
 
正しい治療法を選択するためには、患者さんと医師が対等な関係にあることが重要になってきます。患者さんは自分自身の体調や病状について正確な情報を提供し、医師はそれをもとに最適な治療法を提案することが求められます。ただし、医師は多くの知識や経験を持つ専門家ですので、治療に関する情報や選択肢について患者さんに説明する役割があります。医師は患者さんに対して分かりやすく、丁寧に説明を行い、患者さんと共に最善の治療法を模索することが求められます。

自由診療に係る通常必要とされる治療等の内容等の改正医療法による新広告規制

平成30年6月1日から改正医療法による新広告規制により、自由診療に係る通常必要とされる治療等の内容、費用等に関する事項に ついて情報を提供すること。さらに自由診療に係る治療等に係る主なリスク、副作用等に関する事項について情報を提供することが法令による規制が始まっています。しかし、自由診療の情報がほとんどなく患者さん向けの正しい情報が圧倒的に不足しています(クリニックに行都合のいい情が全面的に前に出て治療が無意味ななことは出ていません)

有用とは言い難い情報を、患者さん等に著しい誤認を生じさせる、体験談の広告は禁止されることとなりました。 自由診療の誇大広告はできなくなったということです。そのため自由診療をしているクリニックは無料の「がん最新情報」「がん相談」などのサイトを 設立したり、薬剤を卸している業者も、提携しているクリニックに患者さんを誘導しています。

がん治療に関する誤った動画情報の削除

YouTube(ユーチューブ)が、がん治療に関する誤った動画情報の削除に乗り出しました。 世界各地の保健当局や世界保健機関(WHO)の情報などを参考に、 削除する動画は、有効でないことが確認されている治療法を推奨するものや、承認された治療より代替治療法が有効だと主張している動画などです。例えば、食事(ニンニクでがんが治るなど)やビタミンCでがんが治るという科学的根拠が乏しい内容の動画です。標準治療より有用性あると言えないばかりか、視聴した方は不利益になる可能性があります。

AI(人工知能)で違反する動画を自動的に検知する作業を常に続けています。 当然のことですが、余りにも偽り情報が氾濫しています。

多種類のがんを一度に発見できるMCED(複数がん早期発見)検査

少量の検体から多種類のがんを一度に発見できる検査はMCED(複数がん早期発見)検査と呼ばれています。 線虫がん検査などさまざまなMCED検査があり、自費診療で受けられるものもあります。しかし、現時点で、無症状の人に検査を行ってがん死亡率が下がることが証明されたMCED検査は一つもありません。

インターネットには多くのがん治療に関する情報が存在しますが、それが正確かどうか、信頼できる情報かどうかを判断することは困難です。がん治療に関する情報は常に進歩しているため、信頼できる情報を見つけることは非常に重要です。

がん自由診療(免疫療法も含めた代替療法)

自由診療 エビデンスレベル奏効率 広義のがん免疫療法は樹状細胞ワクチン療法やペプチドワクチン療法,BAK療法や遺伝子療などあります。不思議なことに自由診療でも迷うくらいあります。仮に自由診療の選択する場合は広告の説得力、クリニックの雰囲気で決めてしまうのかなと思うくらいです。待合室の椅子も違います。

自由診療(保険適用にはなっていない療法)では「副作用の心配が少ない」、「がん細胞のみ攻撃する」手術、抗がん剤、放射線療法の標準治療と組み合わせて相乗効果を狙う療法ともありますが、奏効率もはっりいえませんし有用性は証明されていません。

治療に関するエビデンスレベルもレベル4(観察研究)の段階です。

レベル4(観察研究)

がんの原因と考えられる要素の一部の治療法を、ほぼ全ての患者さんに同一に行います。ですから、仮に数百の症例で1例くらい有用性があると思われる症例が存在しても、 数年~十数年の追跡調査を行っておりませんから3〜5年後の状態もわかりません。治療行為(臨床試験)の意義を評価するための評価項目のエンドポイントはを示すことはできていません。

個人的な見解は、仮にカリスマ医師のコメントであっても根拠が弱い(エビデンスレベルが低い)ことになります。治療効果や治療成績の科学的根拠は、「生存率」で客観的に評価されます。また、生存率の推移を示したものに「生存曲線」があります。治療効果を判定する最も重要かつ客観的な指標の生存曲線、治療成績の比較ができます。原発部位の年代別の比較、病期、遺伝子型や患者さんの因子での比較がありませんので、一定期間経過した時点での治療成績はわかりません。

不均一性のあるがん細胞の標的抗原(目印)を同定することは、多様性があり変異する特異的遺伝子変異抗原に対するがん免疫治療法は確立されていません。がん細胞だけに作用する薬剤は、今の標準治療でもありません。

自由診療(免疫療法も含めた代替医療)では科学的根拠を示すことはできていません

「癌取扱い規約」に重みを置くことをしない医療機関は自由診療(代替療法)です。 統計的な医療に基づいた科学的根拠(エビデンス)や無増悪生存期間(治療中および治療後に病勢が進行せず安定した状態の期間)の生存曲線などのデータはありません。標準治療でも術後薬物療法を行ったからといっても再発する可能性はもあります。それでも、標準治療以上の有用性、実績はありません。自由診療の持論を展開した後で、「後はあなたが決めてください」と、いうことになります。特に迷っているときは決断も鈍ります。言葉遣いや人への態度が穏やかなので、その療法を決めてしまう方も多いと思います。

「癌取扱い規約」の意味が全くありません

日本癌治療学会など専門領域の学会で作成している臓器別、オーダーメイド医療、がん診療ガイドライン(国内の医療者向けに各学会等で作成された、がん診療に関する規約)を無視しての自由診療の療法は危険です。「10種類の免疫細胞から免疫療法をご提案できる」、「がん再発予防」とか、自由診療を行っているクリニックの療法は標準治療「エビデンス」の都合のいいところだけつまみ食いして患者さん側に伝えることが流行っています。

「癌取扱い規約」に従って治療しても進行してしまう患者さんもいます。だからといって、一部のがん種に保険適応されていて症例適応の拡大ための臨床試験中の薬剤も自由診療(免疫療法のクリニックなど)では、原発部位によっては、臨床試験の結果がでていなくても、免疫チェックポイント阻害薬なども投与します。これでは長い時間をかけて臨床経験から作成された「癌取扱い規約」の意味が全くありません。

ランダム化比較試験をした自由診療はありません

エビデンスレベルの高い研究手法に「ランダム化比較試験」があります。研究の対象者を2つ以上のグループに無作為(ランダム)に分け、薬剤・治療法などの有用性を検証する試験です。厳密に自由診療(代替療法)ではランダム化比較試験は行われた記録はありません。

がん遺伝子パネル検査の解析結果を専門家が集まり、期待できる薬剤があるかを検討することはありません
「がん関連遺伝子」に変異があるかどうかを解析する「がん遺伝子パネル検査」もおこなわれていません。前の病院の「がん遺伝子パネル検査」の結果を知らせても、前々からの同一の自由診療をおこないます。それ以外の治療法はしません。特に「遺伝子治療・療法」をおこなう場合、最先端の遺伝子を解析するゲノム検査の変異を重視しなく「がん遺伝子パネル検査」の結果は無視します。

エビデンスは科学的証拠と理解している人が多いのですが辞書には「その時点で入手できる情報、事実に基づいた妥当か否かの判断」とあります。状況により覆ることも含んだ概念と理解できますので標準治療でも将来的には「癌取扱い規約」も良い意味で変わるかもしれません。自由診療の治療を受ける前に「ランダム化比較試験」の評価があるなら確かめてください。

複数のグループにランダムに分ける手法は非人道的ながんの臨床試験などできるはずがないのです。エビデンスレベルの低い論説、個人的な意見や考え、ケースレポート(症例報告)くらいです。二重盲検法(薬効を客観的に調べる臨床試験の方法)生存期間中央値(患者さんの平均生存期間)などのデータはありません。

根拠の不確実な療法を勧めるWebサイトは患者さんの気持ちにつけ込む表現が多くあります。治験で有用性が得られた薬剤は積極的に使われていません。保険適用にならない高額の自由診療(代替療法)も多いです。「画期的」「最先端」などの言葉で、実験的な治療に誘導されてしまいます。このようなオーバーな表現を使った医療情報に患者さんは惑わされ営利目的のトンデモ医療に誘導されてしまうこともあります。誇張された表現を使うサイトを見ると、たいていは、営利目的のクリニックなどにリンクされています。見自由診療と関係ないがん情報サイトでも、最終的には承認されていない自由診療の遺伝子療法などに誘導されます。

同一の療法で有効性が期待できるのか

将来的にはがん種を問わず投与できる薬剤が開発されるかもしれませんが、現状ではステージ、がん種に関係なく、とかく自由診療のクリニックでは同一の療法が中心になります。呼吸科の肺がんの患者さんにも、消化器科の胃がんの患者さん、婦人科の患者さんにも同じ療法をおこないますので、臓器別の専門性はありません。白衣を着ていれば何でもすることができます。

今のがん診療拠点病院が臓器別診療になっている意味を考えてほしいです。各臓器別領域の「認定医」「専門医」「指導医」の制度があります。この制度は高度な知識や技術、経験など資格審査もあり一般的に考えて肩書きのある医師の専門性に期待できます。それだけ臓器別の専門性が問われるようになってきたということです。「認定医」「専門医」にならなければ、違う領域の診療、治療出来ないということではありませんが、自由診療の「認定医」はありません。

自由診療では抗がん剤も併用した方が治療成績は向上するともいいますががこれでは、効果がある、もしくはないことを確認する科学的根拠はありません。抗がん剤には、がん細胞の増殖、増悪を抑えたりする効果がありますが副作用もあります。抗がん剤を行っている主治医に知らせないのは危険な行為です。

ネットの情報も含めて多く掲載されていますがその情報自体、自分に適しているかどうかの判断は正直わかりません。標準治療でなく自由診療(代替療法)を選択した場合の生存期間は明らかに標準治療より劣ります。標準は平均的というニュァンスで受け取られて「もっと良い治療法があるのでは」と考え「特別な治療」を求めてしまいますが「標準治療」という言葉の意味も含めて、がん診療拠点病院などの医療者側のコミュニケーションも大切になってきます。

自由診療(代替療法)クリニックが行っている療法は先進医療の対象外

高額療養費制度は保険適用される診療に対して自己負担した医療費が対象となり、 自由診療で行うがん療法の治療費については対象となりません 。先進医療として認可されていない療法だからです。

自由診療のクリニックの場合、100例に1例あるかないかの症例を持ち出して、〇〇療法は有用性があるとの結論です。患者さんもわかっているけど、自由診療のクリニックに行く動機になっていることも事実です。

日本では、自由診療に対して十分な法規制などないため、医師の資格さえあれば、専門性に関係なく平等に評価されていない治療、未承認薬(海外でも日本国内でも承認されていない薬剤)を患者さんに投与することができてしまいます。混合診療になるため保険適用の薬剤でも自由診療では全額治療費を支払うことになります。価格設定も自由ですので高額になります。

再発を繰り返しているような場合でも治療を受けることは可能とのことですが、不思議なことに、通院が可能な方に限る条件があります。

「未承認薬」を、有用性があるか、安全性であるかなどまだ科学的に、確認がされていない薬剤でも院内処方として投与することてができます。標準治療より広く有用性があるなら治験の対象に入るのが普通です。

免疫療法・遺伝子療法などの自由診療に誘導されやすくなります

抗がん剤の開発は圧倒的に国内より海外です

抗がん剤治療の副作用で苦しんだ身内を見たことのある方のなかでは、最初から「抗がん剤治療はやりたくない」という患者さんもいます。ですから「標準治療・抗がん剤・副作用」その情報だけに執着してしまうと免疫療法、遺伝子療法などの自由診療に誘導されやすくなります。

「抗がん剤がアメリカや欧米諸国では使われなくなってきている」とかいっているサイトもありますが、そんなことはありません。確実に抗がん剤が有効に作用する場合が多いのに結局、他の自由診療に誘導する手段として姑息な言葉を用います。

サイトの相談員も、あまりにも知識、経験が無さすぎます。それでも、何かできる治療はないかと探して連絡する患者さんですから、信用してしまう人もいるのではないのかと感じます。

標準治療より自由診療が優っている証拠はありません。

私見ですが、自由診療で行う免疫療法などの有用性はないと思っております。標準治療で治療のやり過ぎも怖いのですが、危ない代替医療に頼っていくほうが危険だと思っております。

「根治できない」ことは「治療できない」ことではありませんが有用性(エビデンス)が証明されていない治療は、ときとして不要な治療になることもあります。目につく、ネットで効果をうたっている医療情報に注意しないと、寛解の機会を逃すことになりかねません。

がん再発予防としてのがん免疫療法は有用性がない

過去にや「国立がんセンター、千葉県がんセンター等が中心として臨床試験が行われ、医療施設の固有名詞出して、保険適応になっていない免疫療法を行うことにより、実際に手術後の再発を減るということが報告されている」そのような表現もありますが国立がんセンターなどで現実に行っていませし再発の確率を自由診療などでおこなっている免疫療法などでは減らすことはできません。

患者さんの血液から採取し、細胞培養施設で培養・加工して増大、強化した免疫細胞を体内に戻す療法では、免疫の力でがんの増殖、再発は防ぐことはできません。免疫療法は公的保険が適用されない自由診療のため、治療費はすべて自己負担となり、また治療の効果を保証するものではありません。と表示してあります。標準治療の抗がん剤でも同じことはいえますが適切な薬剤を選択できますし、保険適用ですから金額が違います。さらに一次治療で有用性が認められない場合二次治療でも期待はできます。

副作用が少ない治療で、末期がんや難治性がんにおいても寛解まで持ち込める症例や長期の延命を果たす症例を数多く出しております。よく見かける表現ですが、末期状態から寛解状態に持ち込める症例があるのなら自覚症状がなく低侵襲の手術ができる患者さんも対象に選択にしたらよいと思いますが、今迄直接話をした自由診療の医者は、副作用が少ないと言っているのに手術を勧めます。

よくわかりませんが「新しい治療が標準治療として承認されるまでには時間を必要とされる」ので、治療選択の自由を確保するためだそうです。要するにステージが進み、治療を諦めたくない通院できる患者さんを対象にしています。

患者さんの気持ちをわかっていない

それでもその療法を受ける患者さんはいます。標準治療では、患者さんに医療情報を正確に伝えますが、余りにも呆気ない伝え方になる声が多く寄せられています。だから患者さんは何としても踏ん張りたい、治療を継続したい そんな気持ちになるかもしれません。

だからわかっていても自由診療のクリニックに行くのかもしれません

標準治療を行っている医療施設はそんな患者さんの気持ちをわかってほしい気がします。

有用性が認められていない療法でも自由診療では、全額医療費を負担する必要があります

「ペプチドワクチン」「樹状細胞ワクチン」「がん免疫細胞治療」「遺伝子療法」などの療法は、医療として確立されたものではなく、がん再発予防、寛解などの効果が証明されていない療法です。

せめて医師や医療機関の信頼性や実績、専門性などを調べる必要があり、信頼できる医師や医療機関を選ぶことが重要です。自由診療では、全額医療費を負担する必要があります。公的な医療保険制度に比べて費用が高くなります。しかし、自由診療でのがん遺伝子治療などの有用性については、現在までに科学的に確認されたデータがないため、利用には特に慎重さが必要です。


未承認医薬品(公的にみとめられ承認を得ていないもの)でも医者の裁量で院内調剤(医薬品規格が異なる医薬品や試薬などを原料として調製する。外部の業者でも可能)として使用することができます。

2021年厚生労働省 作成の「医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書 」

NK細胞のドレス現象によりNK細胞は逆に減少してしまいます

人工的に活性化したNK細胞を体内に入れるのが「がん免疫療法」です。 活性化したNK細胞は腫瘍組織に入り込みがん細胞上にある「NKG2DL」分子を目印にがん細胞を排除しょうとしますが、 その際、がん細胞から「NKG2DL」分子を獲得し変化してしまい逆に、 今度は、通常のNK細胞の標的となってしまいます。

急速なNK細胞死(NK細胞のドレス現象)がおこることが明らかになっております。NK細胞を活性化して増殖させて体内に入れても、NK細胞のドレス現象によりNK細胞は以前より減少してしまいます。急速なNK細胞死が観察されており、免疫療法で効果をあげることができない要因となっています。

2013年5月21日に東北大学生体防御学分野より「ドレス現象によるナチュラルキラー(NK)細胞の細胞死機構」の研究論文が発表されています。
ドレス現象によるNK細胞の細胞死機構の発見 (東北大学東北大学加齢医学研究所 生体防御学分野)

その後多くの論文がありました。こうした臨床的に有用性が認められない療法をひとくくりにして代替療法と呼んでいます。標準治療をしている当然のことですが医師は容認しないのが一般的です。

高濃度ビタミンC点滴療法はがんに対して有用性の科学的な証拠はありません

一部の研究や報告では、高濃度ビタミンCが抗酸化作用を持ち、がん治療において免疫システムを強化し、副作用の軽減に寄与する可能性が示唆されてきました。しかし、これに関する結果はまだ矛盾しており、確固たる科学的な証拠が揃っているわけではありません。

ビタミンCは飲み薬にした場合、大量に摂ってもあまり吸収されません。点滴の場合は直接血管内に入れるため、15~100g程度の高濃度のビタミンCを静脈から点滴で注入します。ビタミンCには強力な抗酸化作用があり大量にビタミンCを血中に投与すると、大量の過酸化水素が発生します。この過酸化水素はがん細胞を死滅させると考えられ、正常な細胞は過酸化水素を中和するはたらきがあるので破壊されないため、抗がん作用があるのではないかと注目されていました。

しかし、現在でも大規模な臨床試験でも、高濃度ビタミンC点滴療法で、がんが完治することも、がん細胞の縮小効果も、確認されていません。欧米では、この療法は30年以上前に中止(使用してはいけないこと)になりました。ですが日本に輸入されているののはアメリカの企業からです。

がん治療に有用性を検証した信頼できる高濃度ビタミンC点滴療法の医学論文は存在しません

高濃度ビタミンC点滴療法は美容クリニックなどでおこなわれていますが、それががん治療に有用性があり、抗がん剤の効果を妨げることはなく、既存の治療の副作用を軽減させることができるとのことですが、そんなことはありません。ここでもいいとこ取りです。再発の予防に効果が無いことも判明しているの高濃度ビタミンC点滴療法です。

がん標準治療においては、患者さんの状態やがんの種類に合わせて様々なアプローチが検討されます。有用性が科学的に証明されていない高濃度ビタミンC点滴療法を含む補完・代替療法については、標準治療では選択されることはありません。

米国を代表する病院で1980年に胃、大腸、すい臓などの末期がん患者さんを対象に比較試験をおこないました。結果、高濃度ビタミンC点滴療法は無効と評価されました。さらに1985年にも別の比較試験をおこないましたが結果は、同じく無効と評価されました。生物・医学分野に関する世界最大規模の高度な学術研究推進に重要な役割果たす機関である、米国国立衛生研究所(NIH)では、がんに対する高濃度ビタミンC点滴療法は否定されています。これに対して不思議なことに日本では、規制はないも同然です。

他の療法と高濃度ビタミンC点滴療法を併用

生存期間を延ばす、との結論も出ていないのに1回につき2~3万円ほどが相場で、週1~2回おこなわれます。これを続けるとかなりの経済的負担になります。ビタミンC製剤は、日本では未承認医薬品ですので米国から日本の点滴療法研究会を通じて医者の個人輸入の形式で入手します。同一な手順で自由診療のクリニックでおこなわれています。しかも、免疫療法などの自由診療を受けながら、オープションで高濃度ビタミンC点滴療法を併用します。

高濃度ビタミンC点滴療法の有用性は確認されていません

もし、高濃度ビタミンC点滴療法の有用性が確認されているなら、極端な話し標準治療の抗がん剤治療にとって代わっているでしょう。正式な治験もおこなわれていません。ところがそうなっていません。このことからも抗がん作用が認められていないことがわかります。がんに対する有用性が認められていなくても、アメリカンなどで研究されている最先端のガン治療法とのふれこみで自由診療のクリニックでは投与します。標準治療は科学的根拠(エビデンス)の積み重ねです。

持続的な奏効をもたらすがんの治療法は存在しません

標準治療では、再発や転移を防ぐ目的で抗がん剤を使用するレジメン(治療計画)が多くあります。プレシジョン・メディシン(精密医療)とかファンデーション・ワン(がん遺伝子パネル検査)などあります。しかし、革新的な検査、治療であっても持続的な奏効をもたらすがんの治療法は存在しません。

過去の多くの患者さんの症例経験により、治るがんとは、原発巣の部位の組織を完全に摘出できることが前提になります。また、転移を起こしていても手術で切除、摘出できる範囲にしか転移していないがんのことをいいます。放射線療法でも同じことがいえます。このようながんを「局在がん」または「限局がん」と呼ばれています。局在がんなら手術で摘出できれば治る可能性は非常に高くなり、5年経過した時点で完治になります。現時点で最良の治療法は集学的治療と、ほぼ決まっています。

医療のあり方は科学的根拠(evidence)に基づくものであると信じられており、それを標準治療(EBM)という名称で呼んでいます。

西洋医学と東洋医学の違いはありますが自由診療ではどちらに属すのかわかりません。 自由診療を行なっているクリニックで、よく使用される言葉に「標準治療以外の治療も必要になってきます」は根拠がわかりません。

医学学会での発表はありません

そして治療に際しては事前に十分な説明を行うとのことですが、患者さん個人ではなくがん専門医が集まる医学学会(日本癌学会、日本癌治療学会など)で、説得力ある発表を行う所は見たことはありません。 医学学会で発表する臨床研究報告は、今後の研究、治療について専門医に知ってもらい、治療方法など意見交換をして改善するための場でもあります。

ほとんどの場合、保険適用になっていない薬剤は海外(中国など)からの輸入が多いのも事実です。自由診療のクリニックは、薬剤の管理は使用している薬剤を卸している業者任せが金額も含めて多く見られます。それにしても、薬剤の価格差には驚きます。

がん治療アドバイザーのサポート

がん治療アドバイザーのサポート 医師に勧められた治療法は最善なものか、ほかの選択肢はないのか、あるいは再発をしてしまったけど他の治療法はないのか、アドバイザーに相談することも有用だと思います。

がん治療アドバイザーが的確な領域の医師に連絡をとり病状等を伝え、患者さんにお知らせすることも可能です。各大学病院の医師などサポートしていただける医師は多数いますが、国公立の医師の立場上、お名前はお伝えできないことをご理解ください。

40年間に渡りオリジナルの手術手技の制作、医学学会でのビデオセクションなど、手術症例は2000症例以上の経験、制作実績があります。

がんという病気は、その経過が良好であれ、不良であれ長い時間の経過が伴うことが多く患者さんはその間、何度となく医者からの経過説明を聞くことになります。医者が限られた時間のなかで丁寧に話をしてくれても患者さんは全てにおいて納得することは、難しいこともあります。後になって考えると「説明内容はよく覚えていない」、「自分の考えを伝えたかった」、つい遠慮してしまいききのがすなど、ということも多いのです。

医者は本当の意味で心のケアを含めて治療をしているといえるかどうか、今の医療システムでは1人の患者さんに十分に時間をかけて話すこともできません。コミュニケーションは対人間の意思疎通をスムーズに行い、信頼関係を築くうえで重要なスキルです。

頼れるがん治療アドバイザーを目指します

がん治療は専門的な知識や判断が必要であるため、画像検査(CT・MRI)病理検査(採取された病変組織の病理学的診断)など踏まえた上で院内カンファレンス(病状検討会)を経て、最終的に主治医や担当医から検査結果、治療法について十分な説明を受けます。それに対して患者さんは内容をよく理解して疑問があれば解消し、納得した上で医療行為に同意します。

患者さん自身が治療に関して理解を深め、納得した上で治療を進めることができるよういつでもサポートできるアドバイザーになりたいと思っております。悔いの無い治療を心より願っております。

がんの治療は、医師と患者さんとご家族の方の密接な連携が何より大切です。インフォームド・コンセント(納得と治療の選択)の普及の一助となれば大変意義深いことと考えております。

がんという病気の情報は絶対に必要です。それも正しい情報です。できることならこの情報化の時代、病院の組織を超えてその人だけの最強医師団を作りたいとも思っております。


がん治療の現状 手術(外科療法)
がん治療の現状 薬物療法(抗がん剤)
がん治療の現状 放射線療法
がん治療の現状 がん治療の難しい理由
がん治療サポート内容 最善のがん治療を受けるために
「がん治療相談」がん治療アドバイザーによるサポート
オピニオン(がん治癒への道)
がん標準治療を選択するとき
「がん標準治療」生存率
がん先進医療(精密医療)
がん免疫療法
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がん再発・転移
がん幹細胞
がん悪液質(あくえきしつ)
がん遺伝子治療
標準治療以上に自由診療の治療成績がよいということではありません
新型コロナウイルの基本知識