がんの先進医療 

重粒子線治療

重粒子線治療は、がんの位置や大きさや形状に合わせ、炭素イオンを高速の加速器で光速の約70%まで加速し、がん細胞のDNAを遮断する、最先端の放射線治療法です。

特に重粒子線は、陽子線よりもさらに線量集中性が優れ、がん細胞に対する消滅効果が大きいとされているため、照射回数をさらに少なく、治療期間をより短くすることが可能とされています。

また通常の放射線治療抵抗性腫瘍として知られる低酸素状態にあるがんにも治療が可能です。

従来の放射線治療で使用されるエックス線やガンマ線は、がん病巣に対して体外から照射すると、深部にがん病巣がある場合、がん病巣に届く前に放射線量が最大となり、それ以降は次第に減少していきます。

体の深いところにあるがん病巣に十分なダメージを与えることができません。また、がん病巣以外の正常細胞にもダメージを与えてしまいます。

重粒子線治療は、国が定めた先進医療のひとつですが、先進という言葉のイメージが独り歩きし、「先進医療は優れた治療法」といった誤解も生まれています。ラストホープ(最後の砦)とはなっていません。

先進医療については、平成16年12月の厚生労働大臣と内閣府特命担当大臣等との「基本的合意」に基づき、国民の安全性を確保し、患者負担の増大を防止するといった観点も踏まえつつ、国民の選択肢を拡げ、利便性を向上するという観点から、今は自由診療扱いで混合診療ですが保険診療との併用を認めることとしたものです。

先進医療にかかる料金は、患者さんの自己負担(保険適用外)となります。高額療養費の払い戻しの対象とはなっておりません。料金は、先進医療の種類や病院によって異なっております。

先進医療以外の通常の医療と共通する部分(診療・検査・投薬・注射・入院料等)の費用は、保険扱いとなります。 平成28年4月1日現在、88種類の先進医療(外に第3項先進医療技術は31種類)が承認されています。

90%以上が、がん治療です。しかし希望する方すべてに適応にはなりません。

一般的な保険診療を受けるなかで、患者さんが希望し、医師がその必要性と合理性を認めた場合に行われます。

また治療費は重粒子線治療の場合300万円以上の自己負担となります。ほかに治療手段がなくなったときに受ける治療ではありません。

先進医療の方が優れているイメージが強いかもしれませんが、決してそうではありません。誰でも受け入れられる治療ではなく重篤な副作用については多く語られていません。

重粒子線治療では、どういう後遺症がいつどの程度出てくるかが、はっきりわかっていません。

再発したがん病巣では、重粒子線治療でも治すことは難しいのが現状です。

20年位前に日本で最初の重粒子線の施設が出来た時、各大学病院、専門病院に重粒子線治療のポスターがたくさん貼ってあったことを今でも記憶しています。

それでもまだ保険適用にはなっていません。

先進医療を実施している医療関係の一覧