がん遺伝子治療

がん遺伝子治療基礎、臨床など様々な専門領域の研究が進み、近い将来、遺伝子治療、抑制遺伝子でがんを抑制することは可能なことだと思っております。がんは遺伝子の病気である以上、遺伝子レベルでの研究が進むと思われます。

「プレシジョン・メディシン(精密医療)」が注目を集めています。 ゲノム解析に基づいた医療で、さまざまな可能性を秘めています。

遺伝子治療先進国の米国では2000例を越すがん遺伝子治療の治験の結果、試験的医療と言う位置付けで研究されています。

無害化したレンチウイルスに正常な遺伝子を組み込み、ベクター(効率よく細胞の核内に取り込まれる媒体)として投与します。現在国内でも治験が行われています。今後もさらに効果と安全性などの基礎研究に向かっています。

レンチウイルスは、ウイルスベクターの中でも特に大量の作用物質を運ぶ能力をもつうえに、効率よく細胞の核内に取り込まれて安定した薬理効果を発揮することが分かっております。遺伝子治療においては高く評価できるウイルスベクターです。

レンチウイルスベクターは、幹細胞や神経細胞などの非分裂細胞を含む、ほぼすべてのヒト細胞に遺伝子導入を実現する強力なベクターです。

がん細胞ひとつだけでも2万個以上の遺伝子があります。複雑な遺伝子の全てをまだ解明できてはいませんが、がん遺伝子と正常な細胞の遺伝子との違いはわずかで、がん細胞のシグナル伝達のシステム異常を抑え正常な細胞に導くのが遺伝子治療です。

がん細胞の中には正常細胞には見られない大量のCDC6タンパクが存在しており、細胞分裂が大きいがんほど、その量が多いことが分かっています。 がん細胞に大量に発生しているCDC6タンパクをRNA(リボ核酸)干渉により、がん細胞の分裂を止めます。

がん遺伝子治療の機序

細胞やタンパク質の構築、DNAの複製などの研究が進み、それらが作られる方法は基本的に1通りであるのに対して、 細胞の解体、タンパク質の分解、遺伝情報の消去や抑制の方法が何通りも用意されていることがわかりました。

身体は年齢とともに細胞に老廃物がたまり変調がおこります。身体は先回りして自ら細胞やタンパク質を壊し、分解しつつ新しい細胞をつくりなおします。常に動的な状態を維持することによって不足があれば補い、損傷があれば修復します。また一定の間隔で新しい細胞に引き継ぎます。
これが正常な細胞のアポトーシス(細胞の自然消滅)です。

がん細胞をアポトーシスさせるためには、秩序なく増殖するがん細胞の遺伝子を正常な細胞と同じ状態にしなくてはなりません。

がん細胞は正常細胞よりはやく分裂しています。

がん細胞が分裂するにつれて正常な細胞と同じアポトーシスできる生体環境を作ることで、がん細胞の増殖が止まります。 正常細胞に戻る過程でがん細胞をアポトーシスに導くことが遺伝子治療の機序です。

がん抑制遺伝子

1987年、がんを抑える「がん抑制遺伝子」の存在が発見されました。
細胞内の核に存在するがん遺伝子は、普通の場合、このがん抑制遺伝子によって活動を抑制されています。

何らかな原因で正常な遺伝子が、がん遺伝子に変異するとともに、放射線や紫外線、科学物質などによって、このがん抑制遺伝子が損傷してしまった場合に、がんが発症することがわかっています。

異常ながん抑制タンパク質が正常ながん抑制タンパク質の機能を阻害すると、組織特異的にがん化が起きると考えられています。

現在までにp53、Rb、RCA1など、十種類以上のがん抑制遺伝子が知られております。私たちの身体には、まだまだ多くのがん抑制遺伝子が存在していると考えらます。

これらのがん抑制タンパク質の機能は細胞周期チェックポイント制御、転写因子制御、転写、DNA修復など多岐にわたっています。これらのがん抑制遺伝子群の諸機能が解明されることにより、がん発生メカニズムの巨大な謎が解りつつあると考えられています。

がん細胞の遺伝子セット

正常細胞にもがん細胞にも10万個以上の遺伝子セット(DNAと考えてもよいと思います)が備わっています。身体の組織を構成する細胞の形や機能が違っているのは遺伝子セットが微妙に異なるからです。

遺伝子セットは細胞の増殖、分化を行います。がん遺伝子も正常細胞の増殖、分化には欠かすことはできないことがわかっています。

ところが遺伝子情報はDNAだけではなくRNA(リボ核酸)のかたちでウイルスの粒子の中におさめられている場合もあります。これら遺伝子情報の働きをすべて解明するには気の遠くなるほど時間がかかります。

p53遺伝子

正常細胞ではp53遺伝子は私達の身体の細胞の分化にかかわっていることは知られています。

通常はp53タンパク質は転写因子として働き、遺伝子群の発現に関与し多彩な生理機能を持っています。
正常なp53遺伝子が作用しているときは良いのですが、何らかの原因でp53遺伝子が損傷する正常細胞が異形細胞に陥った状態をくりかえしてがん細胞になることが知られています。

悪性腫瘍(癌)において最も高頻度に異常が認められています。DNAが修復不可能な損傷を受けた場合に、癌細胞のアポトーシス(自然な細胞死)に誘導されにくくなり、多くの悪性腫瘍においてp53遺伝子の変異が認められます。

Mdm2は、がん細胞の抑制作用を有するp53の活動を抑制的に調整する遺伝子でです。

がん細胞はp53の働きを抑制するMdm2を持っている場合が多く、遺伝子治療で使用する治療タンパクではMdm2を阻害します。

遺伝子レベルでのがん治療

細胞増殖のシグナル伝達遺伝子治療とは、がん細胞を基の正常細胞に導く治療です。

がん治療の難治性はがん細胞の不均一性にあります。細胞分裂の周期はG1、S、G2、Mの4つのステップがあります。

そのひとつに細胞を増殖させるために発現するCDC6タンパクがあります。正常細胞では1回の細胞分裂サイクルに1度だけG1期に発現しますが、がん細胞においてはCDC6が細胞分裂の全周期に現れます。

このCDC6の大量発現によって、がん細胞では無限増殖、がん抑制遺伝子の不活性化などが起こり、がん細胞を増殖させる一因となります。がん遺伝子治療はこのがん増殖に関与するCDC6を遺伝子レベルで消去します。

がん遺伝子と正常な細胞の遺伝子との違いはわずかで、がん遺伝子が作る変異型タンパク質は正常な細胞のアミノ酸と数個しか違わないことがあります。

しかし、このアミノ酸の違いが、タンパク質の機能を大きく変えてしまい、細胞増殖のシグナル伝達の異常をおこします。結果がん細胞が自己増殖シグナルを出し続け、無限増殖ができると考えられます。

「CDC6」は細胞分裂の際のDNAの複製や合成において重要な役割を果たすタンパクです。正常細胞においては細胞分裂サイクルの一時期にしか発生しませんが、がん細胞においては細胞分裂サイクルの全ての時期に豊富に発生しています。

「がん細胞の無限増殖能に関わるCDC6タンパク」を標的とする「RNA干渉療法」を利用しています。

レンチウイルスによって効率よくがん細胞の中に入り込み、がん細胞のみでCDC6タンパクshRNAが作用して、がん細胞中のCDC6タンパクが作られなくなります。CDC6タンパクが枯渇すると、がん細胞が無限増殖できなくなります。

がん細胞のシグナル伝達の異常を抑え正常な細胞に導くのが遺伝子治療です。がん遺伝子治療は特異的に発生するがん細胞の抗原を認識し直接がん細胞の遺伝子に作用をします。

身体の免疫が、がん細胞を抑制することを主眼としていることに対して直接変異したがん細胞の遺伝子に作用し正常細胞に導きアポトーシス(がん細胞の自然消滅)させる作用があります。

米国ではすでに遺伝子治療は行われています。国内でも様々ながん遺伝子治療の研究や治療は行われています。

セカンドオピニオン外来がある病院は今では珍しくありませんが、日本で最初にセカンドオピニオンを専門とした医師とも交流がありました。最適な治療法を決める上で組織にとらわれない立場で「がん治療」のご相談を受けたいと思っております。

遺伝子治療方法

がん治療相談治療効果をあげているクリニックの治療方法は一回に遺伝子治療薬cdc6(RT181)2cc以上を使用し、生理食塩水で希釈して点滴や局部注入を併用した、治療方法が行なわれています。


存在するがん細胞の数に対して薬剤の投与量が少ないと、がん細胞の増殖が完全に止まらないために本来の効果が得られません。


直径1㎝ほどの固形がんには10億個のがん細胞が含まれていると考えられています。cdc6(RT181)治療薬は2cc中に40億個分のがん細胞に反応するcdc6shRNAが含有されております。

理論上は2ccの投与で進行した固形がんの増殖を抑えることができると考えられます。正規の遺伝子治療製剤cdc6(RT181)は1回の投与量は2ccが基本です。(状態により初回のみ1cc使用する場合があります)また2cc以上を投与する場合もあります。

遺伝子治療は、状況に応じて点滴と局所注射を併用します。部位によっては病巣に流入するリンパ経路をもとにして遠隔部位へのリンパ管に局注をします。

胸水や腹水が溜まっている場合は胸腔や腹腔内に注入します。血管造影の手技を用いて動脈よりカテーテルを用いて選択的に腫瘍へ注入する場合もあります。

しかし遺伝子治療は抗がん剤や免疫療法などを併用することによって相乗効果があるという科学的根拠はまだでていません。また保険適用ではなくすべて自由診療でおこなわれています。薬剤は国産ではなく海外からの輸入です。

がん治療セカンドオピニオン サポートセンターでは遺伝子治療のことも含めてお伝えします。

遺伝子治療もさまざまな種類がありますので、有用な遺伝子治療を考えてるい方には最適なアドバイスができると思っています。

最近RT181(cdc6)と類似した薬剤を使用した療法をおこなっているクリニックもありますが、国内で製造された遺伝子治療薬は厚生労働省の承認は得られておりません。(一部の大学病院、専門病院で行っている治験は除く)

国内で製造した医薬品を販売・授与するためには、通常、医薬品製造販売業許可及び医薬品製造業許可が必要となります。さらに、許可のほかに、原則、取り扱う品目ごとに医薬品製造販売承認(認証)を取得する必要があります。

医薬品は有効性及び安全性の確保等に関する法律により規制されています。国内では、遺伝子治療薬の医薬品製造業許可は認証されていません。

遺伝子治療薬は正規のルートを通じて輸入して、厚生労働省へ薬事申請書を提出しております。

正規の遺伝子治療薬は、RT181 cdc6 「核酸活性タンパク複合体」です。
正規の遺伝子治療に用いる薬剤は液体で-86度の凍結保存しています。
移動はドライアイスを使用して-86度を保ちます。
治療する1時間前に氷水にて解凍します。
治療は病状の状態により1クールを4回または8回として、週1回の治療です。
1回の量として2㏄の濃縮活性タンパク質を投与します。
転移部位が多い場合は追加投与も可能です。

正常細胞を破壊しないので、抗ガン剤を大量に投与した時のような直接的な副作用が少ないことが報告されています。
注射30分後に37~38度の微熱と軽度の悪寒がある程度で、3~6時間で平熱に戻ります。
これは一時的な抗体反応です。

遺伝子治療RT181治療経過

1)投与から3~4日には、ガン細胞の増殖機能が停止します。
2)2週間後から自滅(アポトーシス)の誘発現象がおこります。
3)3週間後にはガン細胞の塊(癌巣)の崩壊と消滅が生じてきます。
4)4週間後には正常細胞の活性化とガン細胞の塊(癌巣)の活動がさらに弱められていきます。

この治療法の利点は原則的に通院でできることです。抗ガン剤や放射線の使用による体力の負担や副作用が少なく、高いQOL(生活の質)の維持が可能です。今後のガン治療に大きな希望と期待が寄せられます。

「未承認薬」「適応外薬」

がん遺伝子治療 がん治療相談  日本の保険制度はとてもよくできていますが、国内ではまだ承認されていないが効果が期待できる薬剤を使ってみる。そのような治療法も選択肢の1つとして考えてほしいと思います。

「未承認薬」アメリカ食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁(EMA)といった海外の政府系機関が安全性と有効性を確認して、承認したにもかかわらず、日本では厚生労働省の承認がなく保険適用外の薬剤です。


「適応外薬」日本国内で承認されていても、適応疾患以外の病気に対して処方するときには保険適用外となってしまう薬剤です。例えば肺がん、胃がんで厚生労働省の承認を受けている薬剤でもそれ以外のがん治療に対しては保険適用外になってしまう薬剤です。

単独では承認されていても併用して使用した場合「適用外」の例があります。

海外での承認と日本での承認の間に生じる時間差それを「ドラッグラグ」と呼びます。

がんの先進医療は様々ありますが、国内の遺伝子治療薬は治験の段階です。希望される方のすべてが受けられるわけではありません。遺伝子治療薬RT181(cdc6)「核酸活性タンパク複合体」はアメリカで開発され、中国で製造承認された薬剤です。

日本をはじめ明確な薬理作用の効果を証明することは公的な第三者が厳密なルールに沿って臨床試験を行います。多くの免疫治療や遺伝子治療は公的な制度で明確な有効性、科学的根拠は確認されていません。

再発や転移をした場合も同様です。がんと診断されて標準治療で治癒される方は多数いらっしゃいます。
しかし発見された時点で根治的な手術ができない場合や手術後に再発して化学療法、放射線などの治療の効果が期待できない場合もあります。

21世紀のがん治療は、生体にダメージを与えないこと。そして個々の患者さんにあった個別化された治療であることが望まれています。がん細胞の多様性を考慮すればその治療が画一的であってはならないと思います。

現時点ではがんに関して解明されていない部分も多く、100%確実に治る治療法はないことを患者さんの側も充分理解していただき医師と協力して治していくという気持ちを持っていただきたいと思います。

日本でエビデンス(科学的根拠)がまだ確立していなくても、遺伝子治療で腫瘍縮小効果やQOL(生活の質)が得られれば大きな意味を持ちます。

遺伝子治療のメリット・デメリット

遺伝子治療の効果は、治療の難しいがん幹細胞や難治性を示すがん細胞にも期待できます。 標準治療だけでは治療効果の望めない進行がんや再発がんに対しても、遺伝子治療を追加することで、治療効果を得ることが可能です。

しかし、日本における遺伝子治療はまだ治験の段階です。一部の方のみしか受けられないのが現状です。
自費診療(未承認薬)であるために治療費が高額になってしまいます。

※未承認薬とは海外の政府系医療機関が安全性と効果を確認して承認したにもかかわらず、日本では厚生労働省の承認が得られなく保険適用になっていない薬剤のことです。

がん遺伝子治療で、がんが縮小したり、明確に治るというエビデンスは現在、確立されていません。
RT181はアメリカで開発され、中国で製造承認されたものです。